「ルポ・児童虐待」を読んで

私は虐待問題に興味があり「ルポ・児童虐待」という本を手にしました。

どこにでもいるような仲睦まじい夫婦、洋子さんと隆さんのもとに双子が生まれたが、その姉である佳奈ちゃんは6歳という若さで生涯を閉じました。その理由は母による虐待で極度の低栄養状態、頭蓋内出血と貧血が重なっていました。双子が生まれたときに二人共未熟児で生まれ弟は脳性麻痺になってしまいました。未熟児で生まれたため他の子と比べると身長が小さかったり自分一人でトイレができなかったので6歳までおむつでいました。母(洋子)は弟は生涯を持っていて仕方ないことだが姉の佳奈ちゃんには小学校に入学する前におむつを取らないといじめられるとおもいトイレトレーニングを始めました。

しかしそれが洋子さんにとってストレスがたまり、気づいたら子供に手を出してしまいました。実際に佳奈ちゃんの母である洋子さんも小さい頃ひどい虐待を受けていました。しかしそんな洋子さんは自分がされたことを子供に同じ思いをさせないように優しく一生懸命育てていました。そのように育てていても手を出してしまったのは過去辛い出来事が当時の感情と共にまるで今目の前に起きているかのように意識の中に飛び込んでくるフラッシュバックという現象がおこったりやストレスが溜まりやすい性質になってしまっりと環境が虐待へとつながってしまったのではないかと思いました。

私はこのことから虐待は親の責任ではあるがその親が育った環境にも大きく影響されているのではないかと思いました。また、親はしつけのためだと思い手を出してしまうことが多いとわかりました。確かに昔は教育方針として「しつけは厳しく」という接し方だったので叩いたり殴っていたりしたとよく耳にします。しかし、1999年に児童虐待の防止等に関する法律ができたため現代ではそのようなことをしたら虐待と判断されるようになりました。そのため子供を育てる人は上手く言葉で伝える叱り方を身につける必要がある思います。

私がこの本を読んで少し気になったところがあります。それは隆さんが児童養護施設に預けようという考えがなかったということです。隆さんからすると親の精神面をケアすれば虐待という行為はおさまると思います。しかし、児童養護施設に預けるということは子供達と離れてしまうので妻の精神面をケアすればいずれかは暴力が止まるだろうと思う気持ちは分かります。しかし、施設に預けるから全く会えなくなるとは限りません。

このように思ってしまっているということは児童養護施設がどのような場所なのかよく知らない人も多くいると思います。子育てにはたくさんの壁がありストレスが溜まることが最もあることが分かりました。自分の子は自分で育てたいという気持ちになるのは分かりますが、虐待を起こしてしまってからでは遅いとも思います。なので1人で全てを解決するのではなく、育児をするならば利用しないとしても保育所や児童養護施設などの制度を十分に理解しいざとなった時に助けを求めやすい環境を自分で作る必要があるのではないかと思いました。

ルポ 児童虐待』 朝日新書 朝日新聞 大阪本社編集局著